改修工事レポート(9)「舞台照明」
舞台照明
今回は「舞台照明」に関する情報をお届けします。
舞台照明の核
10月末に「調光操作卓」が到着しました。
ホールの各所に設置された照明を統括・制御し、電源を供給する「調光器盤」と合わせて、光を用いた舞台演出の核となる部分です。

こちらは小ホール用の操作卓で、多目的ホール用のものはさらに1.5倍ほどの大きさ。
現在は、楽屋に仮置き中。

大量のスイッチやフェーダーが並んでいます。
これら一つひとつに、舞台の天井や足元、斜め上や後ろに配置した照明のパラメータを設定し、様々な光の組み合わせで空間を演出していきます。
山陰初の試み
小ホールは従来の常設ハロゲン機材を全てLED化。
写真の丸い部分はすべて光源です。
従来、舞台照明では色のついたフィルムを差し替えて演出していましたが、
LED機材は、1台で複数の光源を再現することが可能になります。
ベースライトと呼ばれる白い光(なま明かり)を含め、常設のものだけで72台の機材を設置します。
こちらが小ホール用の灯体


ちなみにこの「ホール照明全面LED化」ですが、実は山陰地方では初の試み。
小ホールのみですが、過去の利用実績や現行製品の性能を総合的に判断し、導入に踏み切りました。
これからの20年を一緒に歩んでいく機材なので、細心の注意を払いながら、最適と思えるものを選んでいます。
選定にも携わった舞台技術スタッフは、「音響・照明はあくまで陰。施設を利用いただく際には劇場管理者として、お客様が違和感を持たないような演出を第一に心がけた提案をさしあげるようにしています。その上で興行性の高い要望にもお応えできるよう、幅広い選択肢を取れる環境を用意しました」と話しています。
工事期間中にはソフト面も強化
6月から始まった今回の改修工事ですが、
その期間中には、館長主導で組織改編もおこなっています。
課をまたいだ学習機会を設け、とりぎん文化会館で1ヶ月間の研修を受けるなど、いわゆる「現場力」を維持できるよう気をつけています。
先の調光操作盤を楽屋に設置したのもその一環で、スタッフは目下操作方法を学習中。
ある程度決まった調光設定を用意したりと、やることは山積みです。
残りのスケジュールも半分を切り、ハード面の進化と合わせて、ソフト面でのパワーアップもご紹介していければと思っています。
どうぞ最後までお付き合いください。
今回のレポートは以上です。来月もお楽しみに。