改修工事レポート(13)「リニューアルオープン目前<完成図書>」
リニューアルオープン目前
2020年もあっという間に2月。
3月6日に控えたホール棟の再オープンまで残り1ヶ月を切りました。
すべての工事が滞りなく進み、続々と完了の報告が届いています。
主要な工事は昨年中に目処が立ち、明けて1月中は各所で完成検査を前にした詰め作業が進められました。
照明類のデータ収集や点灯確認、舞台吊物の制御システム稼働、自動火災報知設備は受信機を据え付けての機能試験、監視カメラは画角の調整……などなど。
またホール内では客席や幕を元通りにして、1月下旬に音響測定を実施しました。
すっかり元通りになった多目的ホール内

音響測定
以前にも少しご紹介しましたが、改修前後でホール内の音響特性に変化が生じていないかを調べるためのもので、
1ヶ所だけでなく様々な位置に設置したマイクで収音・分析していきます。
1998年の竣工当時のデータとも比較し、経年変化と改修工事による変化とが明確に区別できるかたちで行いました。
合わせて講演会など特定の状況を想定したテストや、空調音が環境を損なわないかのチェックもしています。
人間の頭部の音響を再現した「ダミーヘッドマイク」

ステージ上にあるのがスピーカー。360度に音が広がるタイプです

測定は写真のような専門の設備を備えた機関にお願いし、2日間にわたって実施。
とくに多目的ホールは広く、コンサートなどの用途にも使われるため、音源は舞台の上手・下手(客席側から見た右側・左側)と位置を変え、2階席にも多数のマイクを設置しています。
そうして約1週間後、通知された測定結果は「良好」。
改修工事の前後で音響環境に劣化のないことが証明され、無事に完成検査へ進むことができました。
工事を担当した企業や鳥取県、第三者機関による二重・三重のチェックを経て、
ついに全工程の終了が認められ……そして。
「完成図書」の引き渡し
迎えた2月10日、「完成図書」の引き渡しが行われました。
「完成図書」というのは、工事の完成検査の際に施工業者が提出する、契約書・完成図・工事履行報告・工事写真等の資料のこと。
この日はITVと自動火災報知設備、そして全体のまとめ役も担っていた建築・機械設備の3工事が引き渡し。
当館の永島館長も立ち合い、直接感謝の言葉をお伝えしました。
引き渡しのようす。机の上の膨大な資料が工事の長い道のりを物語っています
机いっぱいに広がった書類の束は、台車2台ぶんにもなります。
中には膨大な図面や写真が綴られており、これらは工事期間中の行き届いた監理を証明しています。
これらの資料は、災害時の復旧や老朽化による修繕の際にも必要となる重要な書類であるため、これから数十年、しっかりと保管していきます。
21日ごろには、残る舞台吊物機構改修工事、舞台照明設備改修工事、トイレ改修ほか工事の完成図書も追って引き渡しとなります。
それをもって、予定していた工事はすべて完了。
リニューアルオープンはもう目の前です!
このレポートも次でいよいよ最終回。
館長の話を交えつつ、9ヶ月間の工事を振り返ります。
最後まで、どうぞお付き合いください。